監修:和歌山県立医科大学 呼吸器内科・
腫瘍内科(内科学第三講座)教授 山本信之先生

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ライブリバント®で特に注意すべき副作用

ライブリバント®の副作用のうち、特に注意が必要なものをご紹介します。
副作用に早く気づくためにも、主な症状を知っておきましょう。

間質性肺疾患[発生する頻度:間質性肺疾患 頻度不明*1/肺臓炎2.6%*1]

間質性肺疾患は、お薬によって肺の細胞が傷ついて起こる肺の炎症です。
主な症状は、階段をのぼったときなどに起こる息切れや息苦しさ、からぜき、発熱など、風邪に似た症状としてあらわれることがあります。間質性肺疾患は、症状によって日常生活に支障をきたしたり、さらに進行すると重症化したりすることもありますので、速やかな対処が必要となります。

以下のような症状がみられたときは、風邪の症状と思い込まずに
すぐに主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

間質性肺疾患 間質性肺疾患

重度の皮膚障害[発生する頻度(軽度のものも含む):発疹64.9%*1/ざ瘡様皮膚炎34.4%*1/皮膚の乾燥13.2%*2/爪囲炎55.6%*1]

発疹・ざ瘡様皮膚炎・皮膚の乾燥

発疹やざ瘡様皮膚炎(ニキビのような吹き出物)、皮膚の乾燥など、皮膚症状があらわれることがあります。
主な症状は、皮膚の赤みや、皮膚の膨らみや腫れなどです。皮膚が乾燥すると、皮膚の表面に粉がふいて剥がれることもあります。
ときにかゆみや痛みを伴うことがあり、また赤みが広がり、亀裂が入るなど見た目に影響することもあります。

日ごろから皮膚の状態をチェックし、以下のような症状がみられたときは、
主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

皮膚症状 皮膚症状
皮膚の症状を防ぐため、軽減するために、患者さんご自身でできること
保清:皮膚を清潔に保ちましょう
(洗髪時の頭皮を含めた皮膚の汚れや余分な皮脂をきれいに洗い流すなど)。
保湿:皮膚を清潔にした後、できるだけ早く保湿剤を塗布し、皮膚が乾燥することを避けましょう。
刺激を避ける:外出時、直接皮膚に直射日光が当たらないようにする、保護が難しい部位は日焼け止め(SPF30以上/PA2+以上)を塗布しましょう。

爪囲炎(そういえん)

物をつかむときや爪が伸びてくるときなど指先が爪への刺激に弱くなり、爪の周りに炎症が起きることがあります。これを爪囲炎とよびます。
軽い爪囲炎では爪の周りが赤く腫れる程度ですが、進行すると強い痛みを伴うこともあり、爪の周りの肉が盛り上がってできたかたまり(肉芽といいます)ができてしまうことがあります。

日常的に爪の周りの状態を観察し、以下のような症状がみられたときは、
主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

爪囲炎(そういえん) 爪囲炎(そういえん)
爪囲炎を防ぐため、軽減するために、患者さんご自身でできること
爪を切るときは以下のことに注意しましょう。
① 深爪せず白い部分を残すようにしましょう
② 爪の角は爪切りを用いないで、やすりで整えましょう
指先に負担をかけないためのテーピングの方法もあります(詳しくは医療スタッフにご相談ください)。

静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)[発生する頻度:肺塞栓症4.6%*1/深部静脈血栓症4.0%*1]

静脈血栓塞栓症とは、血管(静脈)の中に血のかたまり(血栓)ができて、血管をふさいでしまう病気です。主に次の二つがあります。
肺塞栓症:足でできた血栓が肺まで流れてきて、肺の血管をつまらせます。急に呼吸が苦しくなったり、胸が痛くなったりします。
深部静脈血栓症:足の静脈に血栓ができて足の腫れやむくみが生じたり、痛くなったり、熱をもったりします。足の腫れやむくみは片足だけにみられる場合もあります。

以下のような症状で少しでも体に違和感を感じたら、
主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

静脈血栓塞栓症 静脈血栓塞栓症
静脈血栓塞栓症についてご注意いただきたい点
血栓が肺につまると命にかかわることがあります。少しでも気になる症状がある場合、すぐに(当日中に)医療機関に連絡してください。
深部静脈血栓症では体液貯留(末梢性浮腫)と同じように足がむくむことがありますが対処法が異なりますので、医師による適切な診断が必要です。末梢性浮腫だと思い込んで足のマッサージや運動などを行うと、血栓があった場合に肺に飛んで、肺の血管をつまらせてしまう恐れがあります。医師の診断を受けるまで、自己判断による対処は控えてください。

インフュージョン・リアクション[発生する頻度:41.1%*1]

インフュージョン・リアクションは、お薬の投与中や、投与終了後24時間以内に起こるアレルギー反応のような症状のことです。
下記のようなさまざまな症状がみられますが、深刻な「インフュージョン・リアクション」の初期症状として「息苦しい」、「ふらつく」など体調の変化を感じることがあります。速やかな対処が必要になりますので、少しでも体調に変化を感じたら、がまんせず、すぐに医療スタッフにお声がけください。
ライブリバント®では、インフュージョン・リアクションは初回(1サイクル目の1日目)に起こることが多く、点滴の終了から、少なくとも24時間は注意が必要です。

以下のような症状がみられたときは、がまんせずに
すぐに主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

インフュージョン・リアクション

以下のような症状がみられたときは、がまんせずに
すぐに主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

インフュージョン・リアクション
  • ※インフュージョン・リアクションの発現の状況により、投与をいったん中止する場合もありますが、以後、治療が継続できなくなるわけではありません。

ライブリバント®であらわれやすい副作用

ライブリバント®の副作用のうち、よくみられるものをご紹介します。
副作用に早く気づくために主な症状について理解し、日常生活に取り入れられる予防方法を実践しましょう。

体液貯留[発生する頻度:末梢性浮腫23.8%*1/低アルブミン血症33.1%*1]

体液貯留は、体の中の水分のバランスがくずれることで起こる手や足のむくみ(末梢性浮腫)です。
低アルブミン血症は、血液の中のアルブミン(蛋白質の一種)が減ってしまうことで、体の中の水分が滞って、体重増加むくみを引き起こします。
また、それにより血圧が低下してふらつきが生じたり、進行すると呼吸困難が起こることもあります。そのため、定期的な血液検査が必要です。

以下のような症状で少しでも体に違和感を感じたら、
主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

末梢性浮腫/低アルブミン血症 末梢性浮腫/低アルブミン血症
むくみについてご注意いただきたい点
急激な体重増加やむくみを感じたときは、ご自身の判断で対処せずに医療スタッフに相談してください。
お薬の影響によるむくみと判別されるまでは、自己判断による足のマッサージや運動は控えましょう。
主治医の先生、医療スタッフから指導された対処法を適切に行いましょう。

重度の下痢[発生する頻度(軽度のものも含む):下痢13.2%*2]

下痢は便の中の水分が過剰になった状態で、一般的に排便の回数が1日3回以上と増加します。下痢が続くと脱水症状を起こしたり、肛門の周りに痛みや炎症が起きたりします。
下痢の症状が重くなると体力が消耗し、心身ともに負担がかかり、日常生活に影響をあたえるため、適切な対処が必要です。

下痢の症状が長く続いたり、重くなったりしたときには、
すぐに主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

消化器症状(口内炎、吐き気・嘔吐、下痢、食欲低下など) 消化器症状(口内炎、吐き気・嘔吐、下痢、食欲低下など)
下痢の症状を防ぐため、軽減するために、患者さんご自身でできること
(主治医の指示にしたがって)下痢止めを携帯しましょう。
下痢により脱水症状を起こさないよう、こまめに水分を補給しましょう。
おかゆやスープなど消化吸収の良い食事をとるなど、食事のとり方を工夫しましょう(食事のとり方は医療スタッフにも相談しましょう)。
  • *1 ライブリバント®の電子化された添付文書より
  • *2 社内資料:アミバンタマブの非小細胞肺癌患者に対する臨床成績(61186372NSC3001試験)より
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